E721C23 2004年 化学 大阪大学 3/12,後期日程,本学 理 【3】   次の文章を読み,問1〜問4に答えよ。  ベンゼン環を有し分子式C8H10Oで表わされる芳香族化合物には,多様な構造異性体が存在する。一置換体には4つの異性体A,B,C,Dがある。一方,二置換体は官能基の違いにより3種類E,F,Gに分類でき,それぞれにo-(オルト),m-(メタ),p-(パラ)の異性体が存在する。  AおよびFは弱い酸化剤により,アルデヒド基を有する化合物に変化した。これらの生成物をフェーリング液と加熱すると,赤色の沈殿が生じた。また,Bを弱い酸化剤で処理するとケトンが生成した。Bおよびこのケトンは,ヨードホルム反応が陽性であった。Eを塩化鉄(V)水溶液と混合すると,淡紫色を呈した。 問1 一置換体A,Bおよび二置換体E,F,Gの構造式を,記入例にならって書け。 記入例  問2 下線部分に示したフェーリング液との反応によって,生成する赤色沈殿物の化学式を書け。 問3 Bの分子内には,4種類の異なる原子や原子団と結合している炭素原子が存在している。このような炭素原子は何と呼ばれるかを記せ。 問4 二置換体EとGのオルト異性体の混合物がある。この混合物から分液漏斗を用いて各成分に分離し,それぞれの化合物を得る実験方法を,略号o-Eおよびo-Gを用いて120字以内で記述せよ。