H000H31 2007年 日本史 大学入試センター 1/20,本試験 【1】   歴史を考える手がかりとしての文化財に関して述べた次の文章A・Bを読み,以下の問い(問1〜6)に答えよ。 (配点 12) A   博物館や古い寺社などに出かけると,大切に保存された貴重な文化財を目にすることができ,歴史の実際に触れる思いがする。  図1・2を見てみよう。いずれも7世紀に制作されたと考えられる有名な仏教彫刻である。現在,図1の像は韓国ソウルの国立中央博物館,図2の像は京都の広隆寺で,それぞれ所蔵・公開されている。両者がとてもよく似ているのは,(a)当時の東アジアの歴史が関連しあって推移していたからだろう。また図2の像は,(b)日本の伝統文化や歴史を再評価しようとする動きのなかで,近代に至って真っ先に注目された。なお二つの像は,両国でそれぞれ国宝に指定されている。 問1 図1・2の像について述べた文として正しいものを,次の@〜Cのうちから一つ選べ。 1  @ これらの像は,瞑想する姿を表現している。 A これらの像は,加持祈?を受ける姿を表現している。 B これらの像は,坐禅を組む姿を表現している。 C これらの像は,修験道に励む姿を表現している。 問2 下線部(a)に関して述べた文として誤っているものを,次の@〜Cのうちから一つ選べ。 2  @ 滅亡した百済からは,貴族たちが倭(日本)に亡命した。 A 朝鮮半島の政治的統一に相前後して,日本列島でも中央集権国家の形成が進んだ。 B 斉明天皇は,中国皇帝に朝貢して「親魏倭王」と認められた。 C 古代の日本では,官僚制などを整えるため,中国の律令法を取り入れた。 問3 下線部(b)に関連して述べた次の文T〜Vについて,古いものから年代順に正しく配列したものを,以下の@〜Cのうちから一つ選べ。 3  T 塙保己一は,日本の古典史料の刊行を進めた。 U 柳田国男は,民間伝承を研究し,日本民俗学の基礎をすえた。 V 岡倉天心らは,日本美術院を結成して伝統美術の発展をはかった。 @ T−U−V A T−V−U B U−T−V C V−U−T B   文化財保護政策は第二次世界大戦後に大きく進展した。1949年に白鳳文化の絵画作品が焼損したのをきっかけに,翌年文化財保護法が制定されたが,この年には北山文化の遺産である ア が焼失している。高度経済成長の時代には,開発にともなう埋蔵文化財の破壊が問題になる一方,1972年には イ 壁画の発見が関心を集めた。  この文化財保護法にもとづく国宝にどのような歴史資料が指定されるかが注目される。近年では,(c)農民自らが書いた紀伊国阿?河荘民の訴状を含む高野山文書や,永仁の徳政令などを含むことでも知られる東寺百合文書など,広範な人々が残した文字史料が国宝に指定された。さらには,(d)近代の文化財や世界遺産への関心も高まっており,人類全体の未来を展望するために文化財をいかして行く視点が求められている。 問4 空欄 ア   イ に入る語句の組合せとして正しいものを,次の@〜Cのうちから一つ選べ。 4  @ ア 銀 閣 イ 法隆寺金堂 A ア 銀 閣 イ 高松塚古墳 B ア 金 閣 イ 法隆寺金堂 C ア 金 閣 イ 高松塚古墳 問5 下線部(c)の史料の写真として正しいものを,次の@〜Cのうちから一つ選べ。 5  問6 下線部(d)に関して述べた次の文X・Yについて,その正誤の組合せとして正しいものを,以下の@〜Cのうちから一つ選べ。 6  X 原爆ドームは,核兵器投下の事実を示す戦争の遺跡である。 Y 世界遺産とは,遺跡・文化財や自然環境が人類共通の遺産として登録されたものである。 @ X 正 Y 正 A X 正 Y 誤 B X 誤 Y 正 C X 誤 Y 誤